ヤマナデは素晴らしいドラマです 第9話の感想

亀梨くんのドラマを、こんなにリピったのっていつぶりだろ?野ブタ。以来かもしれない。

もちろん私は原作も大好きになってしまったので、ドラマで説明が足りない部分を脳内補完で理解していて、ドラマだけ見ている人にとってはトンデモ設定にいつまでも納得がいかないトンチキドラマであるのでしょう。私だって、突っ込みどころ満載である事はわかっているし、子供が喜びそうなドラマであって、大人がはまる類のドラマではないんだろうな、と言う事も、わかっている。コメディ部分とシリアス部分の落差があまりに激しくて、ドラマの完成度が高いとは言えない。

でも、そんな事のすべてを帳消しにするほど、ヤマナデの世界にだだはまりなんです。1度リピって笑い泣き、2度リピってまた笑い泣き、3度リピって違うツボを見つけてほっこりし、4度リピって萌え、5度リピって萌え萌え萌え、何度リピっても飽きない。暇さえあればリピしているうちに次の放送がやってくる。本当に幸せな3ヶ月でした。

初回から、亀梨くんはもちろん、手越くんや内くんも好きな私にとっては、彼らが画面に映っている、彼らがセリフのやりとりをする、それだけで萌えられるドラマだったし、宮尾さんと絢ちゃんの演技も面白くて、漫画原作の突き抜けたコメディとして、金曜の夜を気軽に楽しむつもりでいました。でも、回が進むにつれて、いやいや私はヤマナデをなめていたぞ、こいつは深いぞ、かなり楽しめるドラマだぞ、と、どんどん思うようになっていったんです。

もちろんさすがTBSだけあって、シリアス部分がやたら現実的に作られていたので、見所が増えたっていうのはあります。アンテナ界隈では嫌がっている人ばかりでしたが、私は、色んな重いシーンがあって良かったと思っています。まあ、ストーリー的には確かにかなり見るのが辛いんだけど、やっぱりシリアスなシーンでの役者さんたちの演技はみごたえがある。もっともっと悩み苦しむ恭平が見たい←S

原作のスナコちゃんは普通の(?)高校生で引きこもりではないし、初恋の人に振られてからたった2年なのでまだ納得できますが、ドラマのスナコちゃんはもう大人で、その事件から何年もたっているのに引きこもり。その設定に多少なりとも説得力を持たせるのに、高校時代にいじめにあったというエピソードは必要だったと思います。確かに同窓会の辛いシーンは長すぎたけれど。

顔が良すぎて日常生活に支障をきたす…それだけでもありえない設定ですが、息子がかっこ良すぎて母親が病気になるとか、親子が絶縁、だなんて、ほんっとマンガでしか成立しえない非現実的なトンデモエピソード。でもそこに、嫁姑問題と駄目夫という、ザ・現実丸出しの理由が付け加えられた事で、お母さんにも、恭平にも、スナコちゃんにも感情移入できるようになりました。

髪を切ってモンチッチになった恭平が、ボロボロ泣くのを見ていると、見ている方も切なくなってしまう。亀梨くんの泣きの演技萌え!とか言う感想が、リピを重ねないと出てこない。恭平が、あんなにありえない設定を背負わされているキャラクターなのに、実に立体的で説得力があるから、もう恭平にしか見えないし、恭平に感情移入してしまう。うん、亀梨くんは演技がまた一段と上達しましたよね。もともと(金八時代はともかくとして)、演技のできる子だったし、1つ役をやるたびに新しい引き出しを増やしてきたんだと思うけど、ここにきて、ぐっと存在感のある演技をするようになった気がします。今まで一段ずつ登ってきた階段、このドラマでは三段くらい一気に登ったのかも。

恭平のお母さん役の麻生さんも素晴らしいです。最初はね、エビフライを散らかしちゃった時はね、演技が重いよ〜やり過ぎだよ〜このドラマはコメディなのに〜とか思わなくもなかったんだけど。9話の最後、病室での恭平とのやりとりは、最高でした。恭平のマントをはずす指先から、今まで見えなかった愛が溢れてくるようでした。さすが、ベテランの女優さんですよね。

スナコちゃんもね、本当に可愛らしくて可愛らしくて。最初はただの変な子でしかなかったけれど、下宿の皆に心を開いてきて、前髪を切って表情が見えるようになって、イメージが随分変わりました。いつもみんなの事をじーっと見ていて、色んな事を考えて、何かしてあげたいと思っているのがわかる。恭平に「俺の前から消えろ!」なんて言われちゃって傷ついて、ヒロシく〜んって泣いている姿は、やはり若干恐いですが(笑)、とっても健気で守ってあげたくなってしまう。そんな風にすっごく傷ついているのに、勇気の丘まで行って、大事なマントを恭平に貸してあげるスナコちゃんは本当に優しい子。亀梨くんにあすなろ抱きされて「好きだ」とか言われても全然許せる(笑)!スナコちゃん絶対に幸せになって!ついでに乃衣ちゃんとお嬢様も!